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新型コロナウイルス編:見えない不安や焦燥感との向き合い方

今井さいこ先生

今井さいこ先生

こんにちは。心理カウンセラーの今井さいこです。

中国武漢から始まった新型コロナウイルスの影響は留まることを知らず、今世界中を脅威にさらしています。日本に住む私も、始めは「自分には遠い話」に感じていましたが、今はすぐ隣にいるような恐怖さえ感じます。
そんな中、4月1日に日本生殖医療学会より、不妊治療の延期考慮を推奨する声明が発表されました。

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明
(2020年4月1日版)
http://www.jsrm.or.jp/announce/187.pdf

通院もままならない中、ショックを受けた方、焦りを感じている方などいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、この状況下で感じている不安や焦燥感との向き合い方についてお伝えします。

予測できない未来に不安を抱きやすい

人は、未来を予測しながら生きている生き物です。
暗闇の中手探りで歩いているときに、突然大きな石があれば躓いて転ぶでしょう。ところが、同じ暗闇の中でも「3歩先には大きな石がある」とわかっていればそれを避けることができます。私たちは、これから起こりうる危機から身を守るために「予測する」という能力が備わっているのです。

そのため、未来が予測できない、または予測していた未来が訪れそうもないと分かった瞬間、不安が沸き起こってくるのです。

不妊治療は思った通りに治療が進まないこともありうるため、そもそもそういった要素が強いものではありますが、それでも「不妊治療をしている」ということで妊娠につながる行動をしているため、私たちには一定の安心感があるのです。

新型コロナウイルスが蔓延していることへの漠然とした不安

1日も早い妊娠を望むベビmatchユーザーさんにとって、不妊治療の延期を推奨されたことは大きなショックであると思います。今、皆さんが感じている不安は「これから私の不妊治療はどうなってしまむのだろうか」という漠然とした不安ではないでしょうか。

先ほどもお伝えしたように、人は未来を予測しながら生きているため、感じている不安の根っこには「予測ができないこと」が原因にあるのです。
この不安を解消するためには、未来から今の行動を逆算して考えるのではなく、置かれている状況の中で「今、できること」を見つけることが大事です。

そのため、まずは「漠然とした不安」を目に見える形にしていきましょう。
紙と鉛筆を用意し、「私は、○○が不安です」とまずは書いてみます。
それから、思いつく限り○○に当てはまる言葉や文章を書き出します。

例えば、
・凍結した胚盤胞をいつ移殖できるのか
・先日移殖したが、もし妊娠していたらお腹の子に影響があるのか
・通院中にコロナウイルスに感染する可能性があること
・治療を始めたばかりなのに中断すること
・移植に向けて体調を整えてきたのに延期、中止されること
・治療中断により妊娠の時期が遅れること
・どのぐらい治療を中断せざるを得なくなるのかわからないこと
など。

上記以外にも、皆さんそれぞれが感じている不安が具体的にあることでしょう。
それらを書き出すことで目に見える形にし、自分で認識できるようにします。書き出したら、ご自身が感じている不安をまずはご自身で受け止めましょう。

「私はこういうことに不安を感じているんだな」と思うだけでOKです。その時に、「他の人も大変なんだから」など周囲を気遣う必要はありません。自分が不安だと感じていることをきちんと不安として受け止めることで、自己承認ができ、「不安を感じていいんだ」という安心感を得ることができます。

「今できること」を見つけよう

自己承認ができたら、1つひとつの不安に対して、「今、できること」を考えていきましょう。
その時に、自分1人では答えが出ないものがあります。上の例でいうなら「凍結した胚盤胞をいつ移殖できるのか」というのは、通院しているクリニックの状況にもよりますし、コロナウイルスの収束状況にも左右される可能性があります。こういったものについては、クリニックに確認をする事項としてまとめておきましょう。

自分で調べて解消できる不安、クリニックに確認をする事項、夫婦で話し合うこと、などいろいろと分類ができたのではないでしょうか。

「今、できること」が1つでもわかると「できることがある」という発見によって安心感を得ることができます。
もちろん、解決したわけではないため、完全に安心できるとは言えませんが、漠然とした不安を抱えていた時とは違う状態にあることが分かるのではないでしょうか。

少しでもベビmatch会員の皆さまが安心して過ごせることをお祈りいたしております。

不安なことがありましたら、運営を通じていつでもご連絡をくださいね。

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今井さいこ先生

今井さいこ先生

心理カウンセラー/認定心理士/睡眠指導者 高校生の時「環境が心へ与える影響」に興味を持ったことから、大学で心理学を専攻。臨床心理学を中心に認知心理学、知覚心理学、行動心理学、生物心理学、発達心理学を学ぶ。その後、社会人としてベンチャー企業に勤める傍ら、心理カウンセラーとしての勉強と実践を積み、2009年より女性向けの個人カウンセリングを開始。自身の妊活経験から「妊活中も日々の生活を楽しく充実したものにしたい」と感じたことから、2013年より妊活女性・ご夫婦向け心理カウンセリングを開始。現在は、妊活~育児中の女性を対象に「メンタルケア×アクティブスリープ」による心と体、両面からのアプローチで悩みを解決するためのサポートを行っている。体外受精を経て2児の母でもある。

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