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不妊治療できついのはどんなとき?経験者が感じたつらい点とつらさの軽減法

ベビmatch運営事務局

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厚生労働省の調べによると、体外受精によって産まれた子供は過去15年を見ても増加が続いており、高度不妊治療だけでなく不妊検査をしたり実際に不妊治療を受けたりという人自体、年々増加しています。しかし、不妊治療というのはとてもデリケートな話題でもあるため、実際に不妊治療の経験がある人や、現在治療中の人から話を聞く機会はあまりないかもしれません。

不妊治療経験者のほとんどが、不妊治療はきついものだと感じており、それは男女に関わらず夫婦にとってとても大きな負担になっているようです。これから不妊治療を受ける人はその心構えとして、また、今治療中の人は他の人がどんな点できついと感じているのかを知り、あらかじめ対処法などを考える参考にしてみましょう。

不妊治療経験者が思う、不妊治療のきつい点

不妊治療のどんな部分がつらいのかというのは感じ方に個人差があり、また治療内容も人によって違うので治療内容に左右される部分もあります。その中でも多くの人がきついとあげた点をいくつか紹介します。

治療による肉体的負担

たとえば不妊治療では最初のステップとなるタイミング法であっても、排卵の状態を整えるために経口薬や筋肉注射などを使用することがあります。これらのホルモン剤は体質によって副反応が出ることがあり、だるさを感じたり、精神的に不安定になりやすかったりという点で体に負担になることがあります。さらに、体外受精に進むと一週間毎日注射を打ったり、複数種類の薬を使用したりということもあり得ます。

また、体外受精では女性の体内で育てた卵胞を一度体外に取り出し、男性の精子と合わせて受精させてから体内に戻すことになります。この卵胞を取り出す過程では、採卵と呼ばれる手術が行われます。採卵手術には静脈麻酔や表皮麻酔を使用するケースや、麻酔を使用せずに実施するケースがあります。採卵自体は10分程度で終わるものなので、終わり次第そのあと仕事に行く人もいますが、麻酔の影響で一日動くのがつらいほど気分が悪くなる人や、無麻酔の採卵の痛みで泣きながら採卵をする人もいるなど、とても肉体的な負担が大きいものでもあります。

精神的負担

厚生労働省の調べでは、高度不妊治療を始めた人の約半数以上の人に抑うつ症状が見られることがわかりました。多くの人が自己流の妊活を経験し、不妊治療へとステップアップしていきます。不妊治療だけでなく、妊活をしている時点でも妊娠できないことへの焦りや不安で気持ちがすり減るような思いをしている人はたくさんいます。高度不妊治療は不妊治療の最終段階でもあり、治療内容もそれまでとガラリと替わり体への負担や金銭的負担がとても大きいもの。高度不妊治療に頼らなければない状況自体がつらいと感じる原因そのものでもあるのです。

さらに、妊娠を希望している人は周囲の悪気ない小さな一言で傷ついてしまうことや、家族やパートナーとの治療に対する温度差や、そもそも子供ができないことで自分自身を否定する気持ちになるなど、あらゆることで傷ついてきたという人がたくさんいます。治療に対してなかなか本音で語り合える相手がいないこと、不妊治療といっても治療内容や体の状況によって治療の方法は人それぞれ異なるもので、誰とも共感できない気持ちを抱えてしまうことなど、精神的負担はつきることがありません。

金銭的な負担

不妊治療がきついと感じる大きな原因のひとつに、金銭的な負担があげられます。タイミング法の次のステップである人工授精では、1周期約3万円程度の費用がかかります。体外受精であれば平均50万円、治療内容や病院によっては採卵から移植までのトータルで100万円以上かかってしまうこともあります。

月に50万円というのはもちろん高額な金額ではありますが、たとえ3万円であっても治療せずに妊娠できればかからないお金と考えると、負担は少ないものではありません。そのうえ、不妊治療というのは当事者にとっては「0か100か」という極端なものに使うお金です。たとえば受験勉強であれば、実際試験に合格できなくても、勉強したこと自体は無駄になるわけではありません。しかし、不妊治療というのはそれだけのお金をかけても必ず出産できるとは限らず、出産を望む人にとっては出産に至らなければ無駄になってしまうのと同じことなのです。

100万円以上の治療費をかけても子供ができるかわからず、結果が伴わなければまた一からすべての負担を抱えて治療を始めなければならない、とても過酷なものといえるでしょう。

パートナーとの治療への温度差

男女ともに、不妊治療を通して夫婦の絆が強くなったと感じている人も多く、必ずしも不妊治療がパートナーとの関係性に影響するとは限りません。ただ、あとから振り返ればそれで絆が強くなったとしても、治療の最中には治療の負担を感じながらも何度も話し合いを重ね、パートナーとの治療への温度差をつらく感じる人も少なくありません。

たとえば、不妊検査を受ける際にも男性の場合は精子の状態を調べる必要があり、自慰によって精子を採取し、それを医療機関に提出することになります。これを採精といいますが、採精自体は人工授精でも体外受精でも必要になります。採精自体が屈辱的であり負担に感じる男性がいて、男性が治療に積極的になれない原因のひとつでもあります。

また、10代の頃から生理がある女性と違い、男性は妊娠ということ自体深く考える機会がなかったという人が多く、どれだけ検査をしてもあまり自分ごとにとらえられない人も多いようです。「いつか自然にできる」という思いがあるため、生殖医療自体に否定的であることが多く、女性がその必要性を感じて治療のステップアップを望んでも、男性が賛成できないという夫婦がたくさんいます。治療が進めば進むほど、不妊の原因がたとえ男性にあったとしても、治療による女性への肉体的負担は大きくなっていきます。

治療に向かう姿勢や治療への理解が進まないことで、女性が孤独感を抱えているケースが多く見られます。

時間的な負担

不妊治療は進めば進むほど時間的な負担も大きくなります。タイミング法では排卵日付近に数回通院すれば良いことが多いのですが、体外受精ともなると一週間毎日通院しなければならないというケースもあります。また、検査の都合上通院時間が午前中に指定される場合があったり、通院日も前日にならないと決まらない、採卵日や移植日も直前にならないと確定できないなど、当事者の都合では決められないことが多くなっていきます。

予定を入れていても治療を優先するためには変更の必要が生じることになり、なかなか人に会う予定さえたてにくくなります。それだけでなく、仕事をしている人であればその都度有休をとったりする必要があり、それも直前にならないと決められないため仕事の予定さえたてにくいのが現状です。そのため、約半数の人が治療のために仕事を辞めたり、仕事の内容を変えたりという困難にぶつかっています。

きつい不妊治療を乗り越えるための対処法

ここまでにご紹介したのは、不妊治療の負担のほんの一部でしかありません。実際にはこれ以外の問題も含め、いろいろな種類の負担を一度に抱え込まなければならないのが不妊治療です。では、そんなつらさを少しでも軽減するためにできることをご紹介します。

サポートツールを駆使する

最近では、不妊治療を少しでも円滑に進められるように作られたアプリやサービスも存在します。

たとえば不妊治療のトータルケアを掲げているコミュニティサービスの「ベビmatch」には、治療を受けている当事者の負担が軽減できるような機能がたくさん詰まっています。治療費や治療内容を記録できるだけでなく、他の人の治療内容を閲覧できたり、治療の予定や内容をパートナーと共有できるような機能もあります。

また、不妊カウンセリングといって不妊治療を専門としているカウンセラーをみつけることも可能です。このようなサービスを活用することで、不妊治療の管理だけでなく、精神面での負担も軽減することが可能になります。

不妊カウンセリングを受ける

不妊カウンセリングは、不妊専門のクリニックなどで受けられる場合もあります。現在不妊治療は保険適用外の治療がほとんどで、治療内容も明確なガイドラインが明かされているわけではありません。そのため、当事者はどうしても自分自身でいろいろなことを調べ、積極的に情報収集しなければ必要な情報が得られないという問題も起きています。

不妊カウンセリングというのは、不妊治療に関する専門知識を有しているカウンセラーから受けられる心理カウンセリングです。治療に関する相談や、メンタル面でケアが受けられ、さらに夫婦でカウンセリングを受けられる場合も多いです。

パートナーと二人で話し合いをしても喧嘩ばかりになってしまう人や、専門家から話を聞くことでパートナーの当事者意識が高まったという人もいます。精神的な負担が大きいと感じている人や、パートナーとの温度差に悩んでいる人は一度利用してみても良いでしょう。

治療に対する理解者を見つける

やはりどんなことであっても、愚痴を言えたりつらさを吐き出せる機会がないと息苦しくなっていくのは当然のことです。仕事や家庭のことは気兼ねなく話せる相手と他愛もない話をすることで、日頃から少しずつガス抜きができているもの。不妊治療も同様に、本当は気兼ねなく話せる相手がいれば精神的な負担はぐっと軽減できます。

ただしこれは、自分や相手の性格にもよるので、どの立場の人が適しているとも言えません。一番理想的なのは最も身近にいて、さらに不妊治療をともに進める仲間でもあるパートナーの存在です。しかし、すでにお伝えしたように、中には性別の違いからパートナーとの温度差こそがつらさの原因となってしまうこともあります。同性の家族や、何でも話せるような気のおけない友人が良き理解者であるという人もいます。

また、現実の人間関係の中からは見つけにくいと思えば、SNSを利用している人もたくさんいます。TwitterやFacebookに登録して、治療者のコミュニティを覗いてみることから始めてみるのもおすすめです。

多かれ少なかれ不妊治療はきついもの

不妊治療を経験した人は、多少なりとも負担を感じたことがあるのではないでしょうか。実際、不妊治療経験者で最初から最後までポジティブな気持ちだけで向き合えたという人はあまり見たことがありません。しかし、いろいろな方法を試してみることで、その負担を少しでも軽くすることは可能でしょう。

不妊治療は女性にとってそれ自体大きな負担です。強い気持ちを持って挑むのは重要なことではありますが、我慢ばかりして心に負担をかけてしまうといつか抱えきれなくなってしまうこともあります。治療以外のリラックス方法を見つけておく、治療のたびに自分に小さなご褒美を用意するなど、ときには自分を甘やかしながら、自分なりのペースで向き合っていきましょう。

 

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